マムシグササトイモ科テンナンショウ属 ムラサキマムシグサ
雌雄同株
芽生え
果実・種子
両性花果実
塊茎
雄株(2018年4月撮影)
林道を歩けば幾らでも見かけるマムシグサ、雌雄異株だけど見ているだけではまず分かりません
色は地味だけど仏炎苞の筋模様は綺麗、先端が開口部を覆っているのは雨水が入らない工夫でしょうか
仏炎苞付け根の合わせ目に通路状の穴が開いています、これは雄株です
仏炎苞を取り除いてみました、長い付属体の基部に沢山の雄しべが見えています、間違いなく雄株です。取り除かなくても上から覗くだけでも白や黒っぽい雄しべが見えるので雌雄が分かるんですけどね
付属体基部の返し、これで中に入った昆虫が出にくくなります。なので中で動き回って花粉をたっぷり付けられやっとの事で通路状の穴を見つけて脱出できます
これは別の株ですが葯が黒っぽい
中間の葯が熟して花粉を出していますが両側は未だ未熟、どちらか片方から熟していく植物が普通なんですけどね
雌株
こちらは雌株、と言っても見た目は分かりません。雄株の方が多いのか最初見るのは大抵雄株ですね
仏炎苞先端が黒くなっていますがこれは個体差で雌雄の違いではありません
合わせ目には通路状の穴が開いていません、雌花に入った昆虫は上部から脱出できない限りここで一巻の終わりです
多数の緑色の子房、これも上から覗けば緑色が見えるので雌雄が分かります
子房から短い花柱と白っぽい柱頭、毛が生えているようです
ムラサキマムシグサ(2019年4月撮影)
別の場所、仏炎苞が黒い
雌雄同株(2023年4月撮影)
これは30cmくらい、雌雄は微妙
合わせ目の通路も微妙
中を開けてみるとなんと雄しべと雌しべがありました、雌雄同居、こんなのは初めて見ました
これは我慢できず仏炎苞を取り除いていました、下から雌花雄花、上の付属体の返しもよくわかります
雄花と雌花の境界もクッキリ、中途半端なのはなさそう、性転換するくらいだから雄しべと雌しべ両方作る能力はあるんでしょうね、普段はどちらか一方が隠れているのか
反対側を見ると雄花ばかり
下に溜まっている白い粉末状のは花粉です
横から見ると下半分の更に半分くらいが雌花、1/4雌と言うべきか
ムラサキマムシグサと呼ぶこともあるようですが特に区別することはなさそう。とにかくテンナンショウ属は区別が難しく分類に混乱をきたしていることもあるようです
耳の部分が少し張り出しているがミミガタテンナンショウという程でもないし
付属体も黒紫色
芽生え(2009年3月撮影)
地面から変な物がニョキ、どうやらマムシグサのようだ
果実・種子(2017年11月撮影)
赤く熟したマムシグサ、元々数が多いし花の構造から受粉率もいいんでしょうね、いたる所で目にします
赤いトウモロコシ、全草に毒性があるようでそのせいでしょうか猪も食べていないような
果実の大きさが随分不揃いです
これは比較的大きさが揃っている
一番大きな果実(1cmくらい)をカットしてみました、白い種子が入っています、果肉はちょっぴり
全部で11個入っていました、多分標準よりは多い
ほぼ球形、両端に突起がある、左側が植物本体についている方ですが名前はなんと言ったかな
表面に細かな凸凹
両性花果実(2023年5月撮影)
マムシグサは雌雄異株ですが雌雄同株のを見つけたので果実がなるかどうか思っていましたが無事果実がなっていました
あの時仏炎苞も取ったけど無事なっていました、萎れた付属体も残っています
流石に雄花の部分は果実がなってないけど花の時より割合が少なくなっているような、萎んだかな、受精しなかった果実も見えています
付属体下部、小さな凸凹がある部分が雄花があった場所のようです、秋になって赤く熟したのを見たかったのですが見当たらなくなっていた、残念
塊茎(2023年11月撮影)
倒れていた株の根本に塊茎が露出、滅多にない機会なので撮影
側の小川で洗ってみました、茎の皮はネギのように簡単に剥けて中は真っ白
低い円錐形の塊茎、根は側面上部から出ていて下面からは全く出ていません、根が地中深く伸びることはなさそう
塊茎(2018年5月撮影)
マムシグサが倒れていたので引っこ抜いてみました
根本に芋が出来ています、サトイモ科なのでこれは茎が変化したもの、塊茎と言うそうです
地上の茎と塊茎の間から根が出ているんですね、もっと土を落とせばよかった
マムシグサは一定の大きさになるまでは花を咲かせないそうです、その間塊茎に栄養を貯めある程度の大きさに生ったらまず雄花を咲かせる、更に栄養が貯まると雌花を咲かせます、果実をならせるにはそれなりに負担がかかるんですね

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