ヒカゲイノコヅチヒユ科イノコヅチ属 果実・種子
虫こぶ1
虫こぶ2
(2018年8月撮影)
イノコヅチはヒカゲイノコヅチとヒナタイノコヅチに分けられる。これは木漏れ日が当たっているが林の中なのでまずヒカゲイノコヅチでしょう
花は地味ですが意外と整った花です。ただ長い花序の中で同時に咲く花は少なくすぐ閉じるようです。花序軸には毛が生えている
雄しべは5本、子房の周りにリング状に見えているのは仮雄蕊だそうです
棘状に出ているのが2本の小苞、これでくっつき虫となります。その基部にあるのが付属体でこの大きさで区別、ヒカゲは0.6〜1mm、ヒナタは0.3〜0.5mm、計ってはいないがこれは大きそうです
葉は対生し長楕円形で薄く先端が尖る。両面の毛は少ないが無毛と言うわけではない
果実・種子(2019年11月撮影)
イノコヅチの果実が丸くなっていたので虫こぶだなと思って撮ってみました
でもその前に果実も撮っておこ、イノコヅチは花が咲いてすぐ果実になるから花期の頃とあまり変わりません、色が茶色くなっている程度でしょうか
果実の基部から出ている棘状のものが小苞、これでくっつき虫になります、基部に丸く見えているのが付属体、割と大きく見えるからこれはヒカゲイノコヅチかな
花被片を取り除いてみました、種子が1個入っています
大きさ3mm程度、やや膨らんだ円筒形、先端に花柱の跡が突起となって残っています
イノコヅチミフクレフシ(2019年11月撮影)
どう見ても虫こぶ、命名法の原則からしてイノコヅチミフクレフシ、初めてかと思ったら前に一度見ていた。でも検索しても殆ど情報は出てこない、珍しいのでしょうか
左側の正常な果実と比べると随分大きくなっています、正常な花被片と比べるとそれも大きくなっていてまるで立体顕微鏡(笑)
まだ緑色が残っているのを切断してみました、イノコヅチでなければ普通の果実にしか見えない
実物を見ている時はこれはてっきり種子だと思っていた(汗)、写真で見てみるとはっきり幼虫だと分かります、タマムシの仲間のようです
すっかり枯れ切っていたのも切断してみたら空洞がありました(実はこちらを先にカット)、もう虫は出ていったんでしょうか
イノコヅチミフクレフシ(2017年10月撮影)
見たときイノコヅチに実が成っていると思ったくらい。でもどう見ても虫こぶ、検索してみたらイノコヅチミフクレフシのようでした、長い名前だ
こちらの方は盛大に出来ています。今までイノコヅチはいくらでも見てきたけどこんなのは初めて見たな。茎の方に出来る虫こぶは普通に見られるんですけどね
どう見ても実のようにしか見えない
(追記)イノコヅチにはヒカゲとヒナタがありますがこの頃はそれを知らず区別していませんでした、これは多分ヒカゲイノコヅチ、なので虫こぶの名前もヒカゲイノコヅチミフクレフシにした方がいいかもしれません
イノコヅチクキマルズイフシ(2019年11月撮影)
こちらは別の場所、赤くなった草があったので近寄ってみたらイノコヅチでした
茎や葉が真っ赤になっています、葉の縁が波打ってないからこれもヒカゲイノコヅチでしょうか
茎の節が膨れています、これは割とよく見かけます、ここまで赤くなっている
カットしてみましたが空洞がありません、非常に固くて切るのに苦労しました
更に抉ってみると空洞があって幼虫が1匹いました、多分一匹だけ
イノコヅチウロコタマバエの幼虫、これが寄生することで茎が膨れてきます

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